新種
北海道・夕張から新属新種の鎧竜 Nipponopelta yezoensis
日本で正式に記載された初めての鎧竜類。夕張の約9500万年前の地層から。
Sci.News
Cretaceous Research
日陰ノ沢層上部(約9600万〜9400万年前)のノジュールから見つかった頭骨の一部、椎骨、歯をCTで調べた。
日本で正式に記載された初めての鎧竜類で、頭骨が知られるアジアのノドサウルス科としては2例目。
系統解析では北米やヨーロッパの種に近い。
北海道大学などのチームが Cretaceous Research に発表(8月21日)。
背景
属名は「日本の盾」、種小名は北海道の古い呼び名「蝦夷」に由来する。標本そのものは新発見ではない。夕張の海の地層で見つかってから長く保管されていたもので(発見時期は1995年とする報道と2000年代とする報道がある)、今回CTで内部を調べ直して名前がついた。鎧竜が海の地層から出るのは、川や河口から遺体が流されて沈んだためと考えられている。北海道では、むかわ町のカムイサウルスも海の地層から見つかった。
メソゾイックの見方
意外なのは系統だ。アジアの種ではなく、北米やヨーロッパのノドサウルス科に近い。研究チームは、約1億1000万〜1億年前に祖先が北米からベーリング陸橋を渡ってきたと考える。海岸沿いの環境を好んだことが、陸橋を伝う移動を助けたという見立てだ。沿岸の恐竜が海由来の食物を取り込んでいたとする研究と合わせて読むと、海辺は恐竜の移動と食事の場だったという像が浮かぶ。
日本の恐竜研究にとっては、収蔵庫にある既存の標本がCTで新種になりうると示した点が大きい。慎重に見るべきなのは、アジアのノドサウルス科の化石がそもそも少ないことだ。少なさが地層の残り方によるのか、実際に種類が少なかったのかは、共著者も結論を出していない。
出典・詳細 Sci.Newsの記事を読む掲載誌 Cretaceous Research
参考にした情報
この記事の用語
- 鎧竜類
- 全身を骨の鎧で覆った鳥盤類。アンキロサウルス科とノドサウルス科に分かれる。
- 記載
- 新しい生物の特徴を論文で示し、学名を与えること。
- 新属新種
- 属も種も新しく設けられたもの。論文では gen. et sp. nov. と書く。
- 系統解析
- 骨の特徴を多数比べ、生物どうしの類縁関係を推定する方法。結果は分岐図で表す。
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