ENCYCLOPEDIA ・ 竜脚形類
ブラキトラケロパン
Brachytrachelopan ・ 2005年命名
知られている竜脚類の中で最も首が短く、地上1〜2mほどの植物を食べていたと考えられる。骨の癒合から、小型なのは幼体だからではなく成体の特徴とされる。
- 分類
- 竜脚形類 ・ ディクラエオサウルス科
- 時代
- ジュラ紀後期(約1.61億〜1.45億年前)
- 全長
- 約10〜11m
- 食性
- 植物食
- 発見地
- アルゼンチン
カニャドン・カルカレオ層(チュブ州)
特徴
竜脚類としては小柄で、全長は約10〜11m、体重は約5トンと推定されている。首は近縁のディクラエオサウルス科の仲間より約40%短く、知られている竜脚類の中で最も短い。首の骨1個の前後の長さが、その骨の後ろ側の高さと同じかそれより短いことが、ほかの竜脚類と区別する特徴とされる。
残っていた背骨では、神経弓と椎体、仙椎どうしが強く癒合していた。このことから標本は幼体ではなく、体が小さいのは成長途中だからではないと考えられている。
発見と命名
唯一の標本は、アルゼンチン・チュブ州のセロ・コンドルの北北東約25kmにある丘で、カニャドン・カルカレオ層の河川の砂岩から見つかった。首の骨8個、胴の骨12個、仙椎3個、肋骨、脚や腰の骨の一部が関節した状態で残っていたが、多くは発見前に浸食で失われたとみられる。
発見したのは、はぐれた羊を探していた地元の羊飼いダニエル・メサで、種小名メサイは彼にちなむ。属名は「首の短いパーン」の意味で、パーンは羊飼いの神である。2005年にラウハットらが記載した。
分類と研究
ディプロドクス上科のディクラエオサウルス科に入る。ラウハットらの系統解析では、南アメリカの白亜紀前期のアマルガサウルスよりも、アフリカのジュラ紀後期のディクラエオサウルスに近いとされ、南北の大陸が分かれた後にこの科が急速に広がったことを示すと考えられた。
多くの竜脚類が首を長くしていったのとは逆に、この科は首を短くする方向へ進んだ。首の骨の形から首を上に反らすことは難しく、地上約1〜2mの高さの植物を専門に食べていたと考えられている。同じ時代の北アメリカで低い植物を食べていた大型のイグアノドン類と、似た役割を担っていた可能性も指摘されている。
見られる博物館
- エヒディオ・フェルグリオ古生物学博物館(MEF)アルゼンチン チュブ州トレレウ ・ 館の研究者が記載した短首竜脚類
同じ竜脚形類の恐竜
同じジュラ紀後期の恐竜
同じ国(アルゼンチン)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。