ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
マプサウルス
Mapusaurus ・ 2006年命名
ギガノトサウルスに近縁な大型肉食恐竜である。少なくとも7〜9体の様々な成長段階の個体がまとまって見つかっており、群れでの生活を示す可能性がある。
- 分類
- 獣脚類 ・ カルカロドントサウルス科
- 時代
- 白亜紀後期(約1億〜8980万年前)
- 全長
- 約10〜12.6m
- 食性
- 肉食
- 発見地
- アルゼンチン
ウインクル層(ネウケン州)
特徴
マプサウルスは、カルカロドントサウルス科のなかでも最大級の獣脚類である。骨層で見つかった最大の個体(左大腿骨)から、当初は全長約10.2mとされたが、その後の推定では最大で約10.2〜12.6m、体重約6〜8トンとされている。同じ骨層の最小の個体は全長約5.5mと見積もられている。
全体としてはギガノトサウルスによく似ているが、上あごが短く鼻の骨が細いため、頭骨はより高く幅が狭い。上あごの骨の表面がよりごつごつしていることや、首の椎骨の比率なども異なる。前あしはとても小さく、体に対する大きさはティラノサウルス類やアベリサウルス類と同程度である。カルカロドントサウルス科としては頭骨が比較的よく分かっている。
発見と命名
1997年、アルゼンチンとカナダの共同恐竜調査隊が、アルゼンチン・ネウケン州プラサ・ウインクルの南約20kmにあるカニャドン・デル・ガトのウインクル層で化石を発見した。当初は1体の骨格と考えられたが、整理の過程で大きさや成長段階の異なる複数の個体の骨と分かった。2001年までの発掘で、少なくとも7〜9体分の数百個の骨が見つかっている。
2006年、調査隊を率いたロドルフォ・コリアとフィリップ・J・カリーが、マプサウルス・ロセアエ(Mapusaurus roseae)と命名した。属名はマプチェ語の「マプ(大地)」とギリシャ語の「トカゲ」を合わせ、「大地のトカゲ」を意味する。種小名は、化石が埋まっていたばら色の岩と、発掘を支援したローズ・レトウィンの両方にちなむ。模式標本は右の鼻骨1点である。
分類と研究
カルカロドントサウルス科に属し、ギガノトサウルスに近い。同じウインクル層のタウロヴェナトルはこの属と同じものとする意見もあったが、より完全な標本の記載で別の属と示された。タウロヴェナトルは層の下部、マプサウルスは上部から見つかっており、時代も異なる可能性がある。
大型の獣脚類が何体もまとまって見つかるのは珍しく、個体数と年齢の幅から、群れで行動していた可能性が早くから指摘されている。一方で、干ばつや洪水などの災害や、死骸に集まった結果である可能性も否定できず、社会性を示す決め手にはならないとされる。マプサウルスは巨大なティタノサウルス類のアルゼンチノサウルスやチョコンサウルスと同じ時代に暮らしていた。
見られる博物館
- カルメン・フネス市立博物館アルゼンチン ネウケン州プラサ・ウインクル ・ 復元頭骨
展示された特別展
- 日本初上陸 大恐竜展 ―知られざる南半球の支配者―2009年3月14日〜2009年6月21日 ・ 国立科学博物館 ・ 成体約13mと幼体約6mの骨格
この恐竜が登場する本
- 大恐竜展 Dinosaurs of Gondwana 知られざる南半球の支配者冨田幸光(編)、国立科学博物館・読売新聞社 ・ 図録アーカイブ
同じ獣脚類の恐竜
同じ白亜紀後期の恐竜
同じ国(アルゼンチン)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。