ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
エピデクシプテリクス
Epidexipteryx ・ 2008年命名
ハトほどの大きさの小型獣脚類で、飛ぶためではない帯状の長い尾羽4本をもつ。装飾用の羽毛として化石記録上最古の例とされるが、2024年には同時代のエピデンドロサウルスの成長個体とする異説も出ている。
- 分類
- 獣脚類 ・ スカンソリオプテリクス科
- 時代
- ジュラ紀中期(約1.65億〜1.6億年前)
- 全長
- 約25cm(尾羽を除く)
- 食性
- 肉食
- 発見地
- 中国
道虎溝層(内モンゴル自治区)
特徴
骨格の長さは約25cmで、不完全な尾羽を含めると約44.5cmになる。記載者は体重を約164gと見積もっており、原始的な鳥類の多くより小さい。
尾には羽軸をもつ長い羽根が4本あるが、羽弁は細い枝に分かれず、1枚のリボンのような板になっている。体はより原始的な羽毛恐竜と同じような単純な羽毛に覆われ、その根元に膜のような構造が見られることから、羽毛の進化の一段階を示す可能性が指摘されている。風切羽はなかったとみられる。
歯は顎の前の部分だけにあり、とくに前歯は長く前に傾いている。尾の先の骨は、現生の鳥で尾羽を支える尾端骨に似た形をしている。
発見と命名
知られている標本は、北京の中国科学院古脊椎動物・古人類研究所が所蔵する1体の部分骨格だけで、まだ成長しきっていない個体とされる。化石は内モンゴル自治区の道虎溝層から出た。
2008年10月に科学誌「ネイチャー」で記載された。種小名フイと中国名「胡氏耀龍」は、古哺乳類学者の胡耀明を記念したもので、属名は「見せびらかすための羽根」という意味である。
分類と研究
記載時の系統解析ではスカンソリオプテリクス科に入り、鳥類の系統の根元に位置づけられた。その後の研究では、原鳥類の基部とするもの、マニラプトル類の中でオヴィラプトロサウルス類に近いとするものなどがあり、位置は定まっていない。
飾りのための羽根として化石記録で最も古い例とされる。一方、2024年にはアンドレア・カウが、同じ時代のエピデンドロサウルスのより成長した個体にすぎないとする見解を示しており、説が分かれる。近縁とされるイに皮膜の翼があったことから、同じように滑空した可能性も考えられている。
見られる博物館
当サイトの博物館ガイドには、この恐竜を常設展示する館はまだ載っていない。
展示された特別展
- 特別展「中国の恐竜 ― 大地を揺るがす巨体から羽毛の飛翔者まで」2017年7月1日〜2017年10月29日 ・ ウォラトン・ホール/ノッティンガム・レイクサイド・アーツ ・ 出っ歯の小型羽毛恐竜
- 恐竜博20162016年3月8日〜2016年6月12日 ・ 国立科学博物館 ・ 板状標本
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。