ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
アロサウルス
Allosaurus ・ 1877年命名
モリソン層で最も普通に見つかる大型肉食恐竜で、同層の獣脚類標本の70〜75%を占める。名前は「異なるトカゲ」の意味である。
- 分類
- 獣脚類 ・ アロサウルス科
- 時代
- ジュラ紀後期(約1.55億〜1.43億年前)
- 全長
- 約7.5〜9m
- 食性
- 肉食
- 発見地
- アメリカ、ポルトガル
モリソン層(アメリカ西部)
特徴
アロサウルスは短い首に大きな頭、長くやや下向きの尾、小さな前あしをもつ典型的な大型獣脚類である。頭骨は軽いが丈夫で、鋸歯のある鋭い歯が何十本も並ぶ。前あしは3本指で、太く強い後ろあしと長い尾で体のつり合いをとっていた。
見分けるポイントは、目の上から前にかけて涙骨が伸びてできた一対の角と、鼻の上を走る一対の隆起である。角はおそらく角質でおおわれ、日よけや誇示、仲間どうしの争いに使われたなどの説がある。最もよく知られた種フラギリスの全長は約7〜9m、体重は約1.7〜2.7トンと推定されているが、体重の推定には幅がある。
発見と命名
アロサウルスは、オスニエル・チャールズ・マーシュとエドワード・ドリンカー・コープが化石の発見を競った「化石戦争」の時代に見つかった。1877年、マーシュの収集者がコロラド州ガーデンパークの採石場で掘り出した断片的な骨をもとに、マーシュがアロサウルス・フラギリスと命名した。「異なるトカゲ」という名前は、椎骨が軽く作られている点がほかの恐竜と違うとマーシュが考えたことによる。
20世紀の半ば過ぎまでは、ジョセフ・ライディが命名したアントロデムスの名で呼ばれていた。しかしユタ州のクリーブランド・ロイド恐竜発掘地で1960年代に大量の骨が掘り出され、それを研究したジェームズ・H・マドセンがアロサウルスの名を使うべきだと結論し、この名が定着した。同地では少なくとも73体の恐竜のうち46体以上がフラギリスで、1988年にはユタ州の州の化石に選ばれている。
分類と研究
アロサウルス科に入り、少なくとも3つの有効な種があるとされる。1991年にワイオミング州で見つかったほぼ完全な骨格「ビッグ・アル」は、2020年に記載された種ジムマドセニ(A. jimmadseni)に含められた。ポルトガルでも化石が見つかっており、ヨーロッパの標本を別種エウロパエウス(A. europaeus)とするかフラギリスと同じとするかは、研究によって説が分かれる。
モリソン層で最も数の多い大型の捕食者で、食物連鎖の頂点にいたと考えられている。ステゴサウルスの尾の棘に合う傷が治りかけたアロサウルスの尾の骨などが見つかっており、生きた大型の草食恐竜を襲っていた証拠とされる。群れで狩りをしたのか、単独で行動して獲物のまわりに集まっただけなのかは、両方を支える証拠があり議論が続いている。
見られる博物館
- 福井県立恐竜博物館日本 福井県勝山市 ・ 実物化石を含む全身骨格
- 北九州市立いのちのたび博物館日本 福岡県北九州市八幡東区 ・ 全身骨格
- 大阪市立自然史博物館日本 大阪府大阪市東住吉区 ・ 全身骨格
- 御船町恐竜博物館日本 熊本県上益城郡御船町 ・ 全身骨格
- 豊橋市自然史博物館日本 愛知県豊橋市 ・ 全身骨格
- 長崎市恐竜博物館日本 長崎県長崎市 ・ 全身骨格
- 京都市青少年科学センター日本 京都府京都市伏見区 ・ 全身骨格と実物頭骨
- 天草市立御所浦恐竜の島博物館日本 熊本県天草市 ・ 全身骨格
- 岐阜県博物館日本 岐阜県関市 ・ 全身骨格
- 富山市科学博物館日本 富山県富山市 ・ 全身骨格
- 三笠市立博物館日本 北海道三笠市 ・ 複製全身骨格
- 愛媛県総合科学博物館日本 愛媛県新居浜市 ・ 複製全身骨格
- HOKUSHU仙台市科学館日本 宮城県仙台市青葉区 ・ 全身骨格
- アメリカ自然史博物館アメリカ ニューヨーク州ニューヨーク ・ 全身骨格
- スミソニアン国立自然史博物館アメリカ ワシントンD.C. ・ Deep Timeの全身骨格
- フィールド自然史博物館アメリカ イリノイ州シカゴ ・ Evolving Planet
- ロサンゼルス郡立自然史博物館アメリカ カリフォルニア州ロサンゼルス ・ ステゴサウルスと組んだ展示
- デンバー自然科学博物館アメリカ コロラド州デンバー ・ Prehistoric Journeyの骨格
- ロッキー博物館アメリカ モンタナ州ボーズマン ・ 骨格展示
- ユタ自然史博物館アメリカ ユタ州ソルトレイクシティ ・ クリーブランド・ロイド産の骨格群
- ダイナソー国定公園 採掘場展示館アメリカ ユタ州ジェンセン ・ 骨の壁の化石
- ヒューストン自然科学博物館アメリカ テキサス州ヒューストン ・ 骨格展示
- ワイオミング恐竜センターアメリカ ワイオミング州サーモポリス ・ 骨格展示
- フランス国立自然史博物館 古生物学・比較解剖学館フランス パリ ・ 2階の骨格
- ベルリン自然史博物館ドイツ ベルリン ・ 骨格を展示
展示された特別展
- 開館30周年記念企画展「北米ジュラ紀の恐竜たち」2026年7月18日〜2026年12月6日 ・ 群馬県立自然史博物館 ・ ジュラ紀後期の北米の獣脚類
- 特別展示「ディッピー・イン・コヴェントリー」2023年2月1日〜2027年2月19日 ・ ハーバート美術館・博物館 ・ 頭部模型
- 特別展「バッドランドの恐竜たち ~北アメリカの1億年~」2024年7月12日〜2024年11月4日 ・ 福井県立恐竜博物館 ・ A. jimmadseniのタイプ標本
- 夏季特別展「ジュラシック大恐竜展」2021年7月17日〜2021年9月12日 ・ 東北歴史博物館 ・ ロボット
- 恐竜博20112011年7月2日〜2011年10月2日 ・ 国立科学博物館 ・ ジュラ紀コーナー
この恐竜が登場する本
- どっちが強い!? 動物vs恐竜 夢の超時空バトルXベンチャーオールスターズ(ストーリー)、ブラックインクチーム(まんが)、今泉忠明・小林快次(監修) ・ 読み物
- グレゴリー・ポール恐竜事典 原著第2版グレゴリー・S・ポール(著)、東洋一・今井拓哉(監訳) ・ 翻訳書
- ビジュアル 恐竜大図鑑 [年代別]古生物の全生態ダレン・ナッシュ(著) ・ 翻訳書
- 恐竜野外博物館ヘンリー・ジー、ルイス・V・レイ(著)/小畠郁生(監訳)/池田比佐子(訳) ・ 翻訳書
- 世界の化石遺産 化石生態系の進化P・A・セルデン、J・R・ナッズ(著)/鎮西清高(訳) ・ 翻訳書
- 北米ジュラ紀の恐竜たち 開館30周年記念企画展(第74回)群馬県立自然史博物館(編) ・ 図録アーカイブ
- メガ恐竜展2017 巨大化の謎にせまるマーティン・サンダー(総合監修・執筆)、川端清司・田中嘉寛・林昭次(監修・執筆) ・ 図録アーカイブ
- 大恐竜展 よみがえる世界の恐竜たち読売新聞社(編) ・ 図録アーカイブ
- 恐竜博2011 The dinosaur expo 2011真鍋真(監修)、朝日新聞社(編) ・ 図録アーカイブ
この恐竜が登場する作品
- ジュラシック・ワールド/炎の王国映画 ・ 2018
- ウォーキング with ダイナソー(BBCオリジナル・シリーズ)ドキュメンタリー ・ 1999
- ライフ・オン・アワ・プラネットドキュメンタリー ・ 2023
- ジュラシック・ワールド/カオス・セオリーアニメ ・ 2024
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。