ENCYCLOPEDIA ・ 鳥脚類
マイアサウラ
Maiasaura ・ 1979年命名
名は「良い母親トカゲ」を意味する。巣の中の幼体に親が餌を運んでいた証拠が見つかり、恐竜の子育てを示す例として知られる。
- 分類
- 鳥脚類 ・ ハドロサウルス科(サウロロフス亜科)
- 時代
- 白亜紀後期(約8000万〜7500万年前)
- 全長
- 約9m
- 食性
- 植物食
- 発見地
- アメリカ、カナダ
トゥーメディスン層(モンタナ州)
特徴
マイアサウラは、白亜紀後期に現在のアメリカ・モンタナ州とカナダ・アルバータ州に暮らした大型のハドロサウルス科(カモノハシ竜)である。知られている最大の全長は約9m、体重は最大約4トンと推定される。ハドロサウルス類らしいカモのくちばしのような口と、何百本もの歯の列をもっていた。
体のつくりはほかのハドロサウルス類とよく似ているが、両目の間に短くがっしりしたとさか状の高まりがあるのが見分けるポイントである。このとさかは、繁殖期にオスどうしが頭をぶつけ合う争いに使われた可能性がある。治った骨にかかる力の跡の研究から、4歳未満の子どもは主に二足で歩き、大きくなると主に四足歩行に変わったとされる。
発見と命名
1978年、古生物学者のジャック・ホーナーとボブ・マケラは、モンタナ州バイナムで岩石店を営むマリオン・ブランドボルドが見つけた小さな骨を、ハドロサウルス類の赤ちゃんの骨と見抜いた。案内されたモンタナ州ショトー南方の現場で巣を掘り出し、15体の赤ちゃんを見つけた。翌1979年には北アメリカで初めて恐竜の完全な卵が見つかり、卵が多く出ることからこの場所は「エッグ・マウンテン」と呼ばれるようになった。
1979年、ホーナーとマケラはマイアサウラ・ピーブルソルム(Maiasaura peeblesorum)と命名した。属名は「良い母親トカゲ」を意味し、この恐竜が子の世話をしたという結論にちなむ。種小名は、化石が見つかった土地の持ち主ピーブルズ家をたたえたものである。
分類と研究
ハドロサウルス科サウロロフス亜科のブラキロフォサウルス族に属し、ブラキロフォサウルスなどに近い。あらゆる年齢の標本が200体以上見つかっており、ハドロサウルス類の成長を知る手がかりとなっている。モンタナ州の州の化石にも選ばれている。
巣の中の幼体に親が餌を与えていたとする証拠は、恐竜の子育てや社会的な行動を示した最初の例とされ、恐竜は卵を産んだら放置するという1970年代の一般的な考えを覆した。一方で、胚の段階でも歯のすり減りが見られることなどから、給餌の証拠とはいえないとする意見も紹介されている。トゥーメディスン層の大規模な骨層からは、群れが最大1万頭ほどになった可能性が示されている。
見られる博物館
- デンバー自然科学博物館アメリカ コロラド州デンバー ・ Prehistoric Journeyの展示
- ロッキー博物館アメリカ モンタナ州ボーズマン ・ 営巣する姿の展示
展示された特別展
- 特別展「バッドランドの恐竜たち ~北アメリカの1億年~」2024年7月12日〜2024年11月4日 ・ 福井県立恐竜博物館 ・ ハドロサウルス類
- 特別展「恐竜の卵 ~恐竜誕生に秘められた謎~」2018年3月10日〜2018年5月6日 ・ 大阪市立自然史博物館 ネイチャーホール ・ 親子のロボット
この恐竜が登場する本
- あなたをずっとずっとあいしてる宮西達也(作・絵) ・ 絵本・児童書
- 恐竜再生 ニワトリの卵に眠る、進化を巻き戻す「スイッチ」ジャック・ホーナー、ジェームズ・ゴーマン(著)/柴田裕之(訳)/真鍋真(監修) ・ 翻訳書
この恐竜が登場する作品
- ライフ・オン・アワ・プラネットドキュメンタリー ・ 2023
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同じ白亜紀後期の恐竜
同じ国(アメリカ・カナダ)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。