ENCYCLOPEDIA ・ 竜脚形類
パタゴサウルス
Patagosaurus ・ 1979年命名
パタゴニアで見つかった初期の大型竜脚類である。仙椎の神経管が大きく広がる独特の特徴を持ち、同時代の竜脚類とは歯の形が異なっていた。
- 分類
- 竜脚形類 ・ ケティオサウルス科
- 時代
- ジュラ紀前期(約1.79億〜1.78億年前)
- 全長
- 約15〜16.5m
- 食性
- 植物食
- 発見地
- アルゼンチン
カニャドン・アスファルト層(チュブ州)
特徴
パタゴサウルスは長い首、小さな頭、非常に長い尾をもつ四足歩行の竜脚類で、特殊化の少ない典型的な体つきをしている。全長は約15〜16.5m、体重は約7.9〜9.4トンと推定されている。成体の下顎は幅広く高く短いことから、吻も短く高く幅広かったと考えられる。
腰の仙椎は5個で、最初の椎骨の後端から3番目の終わり近くまで神経の通り道が大きく広がって空洞になっている。これは竜脚類の中でパタゴサウルスだけの特徴である。歯はカマラサウルスなどより進んだ竜脚類に似ており、組織の研究から、1本の歯がおよそ58日ごとに生え替わったと推定されている。
発見と命名
1970年代、アルゼンチン・パタゴニアのセロ・コンドルへ向かう道の近くの小石混じりの地層で、正体不明の恐竜の化石がまとまって見つかった。1979年、ホセ・ボナパルテが模式種パタゴサウルス・ファリアシを命名した。属名は「パタゴニアのトカゲ」を意味し、種小名は化石が見つかった土地の持ち主リカルド・ファリアスにちなむ。
模式標本は頭骨を欠くほぼ完全な骨格で、ほかに幼体のほぼ完全な骨格なども見つかっている。地層はカニャドン・アスファルト層で、当初はジュラ紀中期〜後期とされたが、ジルコンを使った新しい年代測定で約1億7900万〜1億7800万年前のものと分かった。同じ地層からはピアトニツキサウルスやヴォルクハイメリアも見つかっている。
分類と研究
記載当初はケティオサウルスに近いケティオサウルス科とされた。2009年の解析ではケティオサウルスより原始的な位置に置かれ、科そのものの有効性が疑われたが、2021年の研究では再びケティオサウルス科に含められており、説が分かれる。2020年以降の解析では、バグアリアやスピノフォロサウルスなどと近い関係にあるとされている。
当初この属とされた十数点の標本の中には、歯の形が大きく違うものがあり、同じ地層にいた別の竜脚類のものと考えられている。同じ地層のバグアリアより歯冠が薄く、食べる植物を分け合っていた可能性がある。
見られる博物館
- エヒディオ・フェルグリオ古生物学博物館(MEF)アルゼンチン チュブ州トレレウ ・ チュブ州産竜脚類
- アルゼンチン自然科学博物館アルゼンチン ブエノスアイレス ・ 復元骨格
同じ竜脚形類の恐竜
同じジュラ紀前期の恐竜
同じ国(アルゼンチン)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。