ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
エオティラヌス
Eotyrannus ・ 2001年命名
「暁の暴君」を意味する英国ワイト島産の初期ティラノサウルス類である。ヨーロッパでの産出は、ティラノサウルス類がアジアで生まれたとする説に一石を投じている。
- 分類
- 獣脚類 ・ ティラノサウルス上科
- 時代
- 白亜紀前期(約1.27億〜1.24億年前)
- 全長
- 約4.5m(亜成体)
- 食性
- 肉食
- 発見地
- イギリス
ウェセックス層(ワイト島)
特徴
エオティラヌスは、白亜紀前期のイギリス・ワイト島から見つかった初期のティラノサウルス上科の獣脚類である。初期のティラノサウルス類が、長い前あしと物をつかめる3本指の手をもつ身軽な体だったという考えを裏付ける化石とされる。
知られている標本は全長約4.5mだが、椎骨や仙骨の縫合が癒合していないことから亜成体と考えられ、成体の大きさは分かっていない。標本は化石になる前にばらばらになっており、保存の悪い骨も多い。当初「尺骨」とされた骨はのちに脛骨の下端と分かり、それまでの復元はすねが長すぎる姿で描かれていた。
発見と命名
1995年、地元の化石収集家ギャビン・レングが海岸で見つけたかぎ爪を、ワイト島地質博物館のスティーヴ・ハットのもとに持ち込んだ。発見場所はワイト島南西海岸のウェセックス層だが、重要な標本で今後も化石が出る可能性があるため、正確な位置は公表されていない。頭骨や胴体、手足の骨が硬い岩から掘り出された。
2001年にハットらが記載し、属名は「暁の暴君」を意味する。種小名のレンギ(lengi)は発見者レングをたたえたものである。2018年には共同研究者のダレン・ナイシュが詳しい記載を出版するための資金をクラウドファンディングで集め、その論文は2022年に発表された。
分類と研究
ヨーロッパで見つかったことから、北アメリカのストケソサウルスやヨーロッパのアヴィアティラニスとともに、ティラノサウルス類がアジアで生まれたとする説に疑問を投げかけ、より複雑な分布の歴史があったことを示している。
2014年にはメガラプトルに近いメガラプトル類とする解析が出されたが、2022年のナイシュとアンドレア・カウの研究では、プロケラトサウルス科やユウティラヌスより進んだ、ティラノサウルス科へ向かう途中段階の身軽なティラノサウルス上科とされた。2024年のカウの解析ではプロケラトサウルス科に最も近いとされ、位置付けは研究によって異なる。
見られる博物館
当サイトの博物館ガイドには、この恐竜を常設展示する館はまだ載っていない。
展示された特別展
- 2021年度特別展「海竜 ~恐竜時代の海の猛者たち~」2021年7月16日〜2021年10月31日 ・ 福井県立恐竜博物館 ・ 復元頭骨を世界初公開
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。