ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
ファルカリウス
Falcarius ・ 2005年命名
「鎌で刈る者」を意味する最も原始的なテリジノサウルス類で、肉食の祖先から植物食へ移る途中の姿を示す。ひとつの産地から数千点もの骨が見つかっている。
- 分類
- 獣脚類 ・ テリジノサウルス類
- 時代
- 白亜紀前期(約1.29億〜1.25億年前)
- 全長
- 約4〜5m
- 食性
- 植物食
- 発見地
- アメリカ
シーダーマウンテン層(ユタ州)
特徴
ファルカリウスは小さな頭と長い首・尾をもつ二足歩行の植物食恐竜で、成体は全長約4〜5m、体重約100kgと推定されている。長い首を使って地上1.5mほどの高さの葉や実を食べられたと考えられている。
上あごの小さな木の葉形の歯は植物を食べていたことを示すが、下あごの前の5本ほどの歯は長くとがっており、小動物も食べる雑食だった可能性もある。手には長さ10〜13cmほどの大きな爪があり、身を守るのに使われたと考えられている。進んだテリジノサウルス類と違い、恥骨は前を向き、足の第1指は地面に届かなかった。
発見と命名
化石は1999年、ユタ州グランド郡のシーダーマウンテン層で化石採集業者のローレンス・ウォーカーが見つけ、古生物学者ジェームズ・カークランドに知らせた。2001年からユタ地質調査所が発掘を進め、少なくとも数百個体分、3000点を超える骨が見つかっている。
2005年、リンジー・ザンノらが科学誌『ネイチャー』でファルカリウス・ウタヘンシス(Falcarius utahensis)と命名した。属名はラテン語で「鎌で刈る者」を意味し、手の大きな爪にちなむ。2010年に別の産地のあごの骨からトロオドン科のゲミニラプトルとして命名された種は、2026年の再検討でファルカリウスの第2の種ファルカリウス・スアレザルムとされた。
分類と研究
確実にテリジノサウルス類とされるもののなかで最も基盤的な属で、一般的な獣脚類の体つきと、テリジノサウルス科の独特な体つきをつなぐ移行的な姿とされる。長い首、植物食に適した歯をもつ小さな頭、大きな爪のある頑丈な腕などはテリジノサウルス科と共通する。一方、長い尾や前を向いた恥骨などは典型的な獣脚類に似ている。
1999年に記載された中国のベイピアオサウルスに続いてファルカリウスが記載されたことで、テリジノサウルス類の初期の進化や、獣脚類のなかでの位置づけが分かってきた。
見られる博物館
- 丹波市立たんば恐竜博物館日本 兵庫県丹波市 ・ 全身骨格
- ユタ自然史博物館アメリカ ユタ州ソルトレイクシティ ・ テリジノサウルス類の骨格
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。