ENCYCLOPEDIA ・ 鳥脚類
ニッポノサウルス
Nipponosaurus ・ 1936年命名
当時日本領だった樺太で発見され、日本人が初めて命名した恐竜である。骨格の約6割が残る幼体1体のみが知られる。
- 分類
- 鳥脚類 ・ ハドロサウルス科(ランベオサウルス亜科)
- 時代
- 白亜紀後期(約8400万〜8000万年前)
- 全長
- 約4m(幼体)
- 食性
- 植物食
- 発見地
- ロシア(サハリン)
蝦夷層群(サハリン・シネゴルスク)
特徴
知られているのは幼体1体だけで、全長は約4mである。仙椎が癒合していることから当初は成体とされたが、2004年の再記載で幼体の特徴が確認され、2017年には骨の組織の顕微鏡観察でも裏づけられた。
骨の保存状態はよくないが、骨格の約60%が残っている。上顎と下顎、頭頂骨、首の骨13個、胴の骨6個、仙椎2個、35個続く尾の骨、肩や前肢・後肢の骨などが含まれる一方、頭骨の多くは欠けている。
発見と命名
化石は1934年11月、当時日本の樺太庁にあった三井鉱山川上炭鉱の病院の建設現場で、ばらばらの状態で見つかった。現在のロシア・サハリンのシネゴルスクにあたる。1936年に北海道帝国大学の長尾巧がニッポノサウルス・サハリネンシスと名づけ、1937年の再調査では同じ個体の四肢の骨が追加で見つかった。
属名は「日本のトカゲ」を意味し、日本の領土で見つかった化石にもとづいて命名された最初の恐竜である。種小名はサハリンにちなむ。地層は蝦夷層群で、一緒に出た貝の化石から約8000万年前のものとみられている。
分類と研究
20世紀の間はほとんど研究されず、ほかのアジアのハドロサウルス類と同じではないか、疑問名ではないかという意見もあった。2004年と2017年の再記載は、それぞれ別の固有の特徴を挙げ、独立した種と認めている。
ランベオサウルス亜科に入ることは共通しているが、細かな位置は研究によって違う。2004年の解析では北アメリカのヒパクロサウルス・アルティスピヌスに非常に近いとされた。一方、成長による変化を考慮した後の解析では、ヨーロッパのアレニサウルスやブラシサウルスに近いとされており、説が分かれる。
見られる博物館
- 北海道大学総合博物館日本 北海道札幌市北区 ・ 全身骨格と復元模型
展示された特別展
- 企画展示「北大の恐竜たち」2026年7月3日〜2026年11月1日 ・ 北海道大学総合博物館 ・ 日本の恐竜研究の原点となった標本
同じ鳥脚類の恐竜
同じ白亜紀後期の恐竜
同じ国(ロシア)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。