ENCYCLOPEDIA ・ 竜脚形類
パタゴティタン
Patagotitan ・ 2017年命名
少なくとも6体の若い成体の化石が知られ、巨大ティタノサウルス類の中でも特によく分かっている。全長は当初37mとされ、近年は約31mとする推定もある。
- 分類
- 竜脚形類 ・ ティタノサウルス類
- 時代
- 白亜紀前期(約1.02億〜1億年前)
- 全長
- 推定約31〜37m
- 食性
- 植物食
- 発見地
- アルゼンチン
セロ・バルシーノ層(チュブ州)
特徴
パタゴティタンは、長い首と尾をもつ四足歩行の植物食恐竜で、とりわけ大きくがっしりしたティタノサウルス類である。当初は全長37m、体重69トンとされ、知られている中で最大の陸の動物と発表された。その後の研究では全長約31m、体重50〜60トンほどに下方修正され、最も近いなかまのアルゼンチノサウルスと同じくらいか、それより小さいとする見方もある。
近いなかまとは、背中と尾の椎骨、肩甲骨、上腕骨、坐骨、大腿骨の特徴で区別される。なかでも、椎骨どうしをつなぐ補助的な関節が肩甲骨の高さの一対の椎骨の間にだけあるのは、ほかの竜脚類には見られない特徴で、重い体を支えるための適応と考えられている。
発見と命名
2010年、牧場で働くアウレリオ・エルナンデスが、チュブ州トレレウの西約250kmにあるラ・フレチャ近くの砂漠で大腿骨の一部を見つけた。エヒディオ・フェルグリオ古生物学博物館が2012年末から2015年2月まで発掘を行い、竜脚類の骨130点と獣脚類の歯57本を含む200点を超える化石が見つかった。地層はセロ・バルシーノ層で、約1億160万年前のものとされる。
竜脚類の骨は大きさのそろった6体分の部分骨格に分けられ、3回の埋没の層から出ていることから、同時に死んだのではないと考えられている。2017年、ホセ・ルイス・カルバジードらがパタゴティタン・マヨルム(Patagotitan mayorum)と命名した。属名はパタゴニアと、力と大きさを表すギリシャ神話の巨人ティタンを合わせたもので、種小名はラ・フレチャ牧場を所有するマヨ家への献名である。
分類と研究
骨の組織の分析から、6体はいずれも成長が遅くなりつつも止まっていない若い成体だったとされる。骨格がよくそろっているため系統解析での位置が安定しており、アルゼンチノサウルスなどとともに大型のティタノサウルス類のグループ、ロンコサウルス類に入れられている。2022年にはコロッソサウルス類というグループの定義の見直しにも使われた。
当時のこの地域は針葉樹が多い森の広がる氾濫原で、近くからはシダや被子植物の化石も見つかっている。同じ地層からは獣脚類のティラノティタンなどが知られる。全身骨格の複製はアメリカ自然史博物館やフィールド自然史博物館などで展示されている。
見られる博物館
- アメリカ自然史博物館アメリカ ニューヨーク州ニューヨーク ・ オリエンテーション・センターの巨大骨格
- フィールド自然史博物館アメリカ イリノイ州シカゴ ・ 復元骨格「マキシモ」
- エヒディオ・フェルグリオ古生物学博物館(MEF)アルゼンチン チュブ州トレレウ ・ 実物大レプリカ(約40m)
展示された特別展
- 巨大恐竜展20242024年7月13日〜2024年9月14日 ・ パシフィコ横浜 ・ 全長約37mの全身復元骨格
- 特別展「ティタノサウルス:最大の恐竜として生きる」2023年3月31日〜2024年1月7日 ・ ロンドン自然史博物館 ・ 全長約37mの全身骨格キャスト
- 特別展「パタゴニアの恐竜」2022年7月2日〜2022年10月23日 ・ 西オーストラリア博物館ブーラ・バーディップ ・ 巨大竜脚類の骨格と大腿骨
この恐竜が登場する本
- 古生物のサイズが実感できる! リアルサイズ古生物図鑑 中生代編土屋健(著)、群馬県立自然史博物館(監修) ・ 図鑑
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同じ白亜紀前期の恐竜
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。