ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
シンラプトル
Sinraptor ・ 1994年命名
新疆のジュンガル盆地から見つかったアロサウルス上科の大型肉食恐竜で、頭骨は約90cmある。名前に「ラプトル」とつくがドロマエオサウルス類とは別系統で、頭骨には咬まれた傷跡、肋骨には骨折が治った跡が残る。
- 分類
- 獣脚類 ・ メトリアカントサウルス科
- 時代
- ジュラ紀後期(約1.61億〜1.57億年前)
- 全長
- 約7.6〜8.8m
- 食性
- 肉食
- 発見地
- 中国
石樹溝層(新疆ウイグル自治区)
特徴
全長は約8m、体重1.3トンほどとする推定や、全長8.8mとする推定がある。頭骨の長さは約90cmと推定されている。タイプ標本は成長しきっていない個体だった。同じ地層からは長さ10cmの大きな歯も見つかっており、もしこの恐竜のものなら、ジュラ紀最大級の獣脚類だった可能性がある。
歯はアロサウルスによく似た刃のような形で、剣竜類などの中型の恐竜に致命的な傷を負わせて捕らえていたと考えられている。
発見と命名
タイプ標本は1987年、中国とカナダの合同調査隊が中国北西部の砂漠で石樹溝層から見つけた。1994年、フィリップ・カリーと趙喜進がシンラプトル・ドンギ(Sinraptor dongi)として記載した。
属名はラテン語の「中国の」と「略奪者」を組み合わせたもので、種名は古生物学者の董枝明にちなむ。名前に「ラプトル」とつくが、ヴェロキラプトルのようなドロマエオサウルス類とは関係がなく、アロサウルスに遠く連なるカルノサウルス類である。
分類と研究
メトリアカントサウルス科で最もよく知られた恐竜で、ジュラ紀のカルノサウルス類の放散のなかで初期の仲間とされる。近縁のヤンチュアノサウルスの一種とされていたものを、この属の2つ目の種とする意見もあるが、2024年の解析ではヤンチュアノサウルスに戻されるなど、意見が分かれている。
タイプ標本の頭骨には、歯で引っかかれた跡や浅い穴、貫通した傷が残り、肋骨には骨折が治った跡がある。頭骨の傷は仲間どうしの争いによるもので、治った跡があることから、相手を殺すための戦いではなかった可能性も指摘されている。
見られる博物館
当サイトの博物館ガイドには、この恐竜を常設展示する館はまだ載っていない。
展示された特別展
- 特別展「中国の恐竜 ― 大地を揺るがす巨体から羽毛の飛翔者まで」2017年7月1日〜2017年10月29日 ・ ウォラトン・ホール/ノッティンガム・レイクサイド・アーツ ・ 中国ジュラ紀後期の肉食恐竜
同じ獣脚類の恐竜
同じジュラ紀後期の恐竜
同じ国(中国)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。