ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
アパラチオサウルス
Appalachiosaurus ・ 2005年命名
北米東部の古陸アパラチアから見つかったティラノサウルス類である。吻部には低い突起が6つ並び、知られる標本は幼体のため成体はさらに大きかったと考えられる。
- 分類
- 獣脚類 ・ ティラノサウルス上科
- 時代
- 白亜紀後期(約7700万年前)
- 全長
- 約6.5m(幼体)
- 食性
- 肉食
- 発見地
- アメリカ
デモポリス・チョーク層(アラバマ州)
特徴
アパラチオサウルスは、北アメリカ東部から見つかったティラノサウルス上科の獣脚類で、ほかの多くの獣脚類と同じく二足歩行の捕食者であった。知られている骨格は幼体1体分だけで、全長約6.5m、体重約620kgと推定されている。頭骨の骨のつなぎ目が閉じきっていないことから幼体と判断されており、成体はかなり大きくなったと考えられている。
鼻先の上面には低い突起が6つ並び、アジアのアリオラムスに似ている。足のかぎ爪の付け根側に独特の出っ張りがあることも特徴の一つである。前あしの骨は実際には見つかっておらず、初期の復元では長い腕に3本の大きな指をもつ姿で描かれたが、現在は大型のティラノサウルス類と同じように短い腕に2本の指だったと考えられている。
発見と命名
模式標本は1982年7月、オーバーン大学の地質学者デイヴィッド・キングがアメリカ・アラバマ州中部のデモポリス・チョーク層で見つけた。地層の年代は白亜紀後期カンパニアン期の中ごろ、約7700万年前にあたる。標本には頭骨と下あごの一部、いくつかの椎骨、骨盤の一部、両後ろあしの大部分が含まれ、アラバマ州バーミングハムのマクウェイン科学センターに収められている。
2005年、トーマス・カーとトーマス・ウィリアムソンが命名した。属名はアメリカ東部のアパラチア地方にちなみ「アパラチアのトカゲ」を意味する。当時の北アメリカ東部にあった島状の大陸もアパラチアと呼ばれている。種小名のモントゴメリエンシス(montgomeriensis)はアラバマ州モンゴメリー郡に由来する。
分類と研究
唯一の標本は系統解析に使えるほど保存がよく、命名前の解析ではアルバートサウルス亜科に入るとされたが、最初の記載ではティラノサウルス科の外側の基盤的なティラノサウルス上科とされた。近年はティラノサウルスなどに比較的近いエウティラノサウルス類の基盤的なメンバーとみなされることが多い。同じ北アメリカ東部のドリプトサウルスより派生的とされる。
2025年の研究では、解析の方法によってモンゴルのアレクトロサウルスなどに近いとする結果と、ドリプトサウルスとともにナノティランヌスを含むグループの初期の枝に置く結果が出ており、位置付けは説が分かれる。かむ力は約3万2500ニュートンと見積もられている。尾の椎骨2個が癒合しており、けがのあとに骨が新しく成長した結果の可能性がある。
見られる博物館
当サイトの博物館ガイドには、この恐竜を常設展示する館はまだ載っていない。
展示された特別展
- 特別展「ティラノサウルス類 ― 一族に会おう」2013年11月23日〜2014年7月27日 ・ オーストラリア博物館 ・ 北米東部の種
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。