ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
アリオラムス
Alioramus ・ 1976年命名
細長い吻部の上に5つほどの小さな突起が並ぶティラノサウルス類である。歯は76〜78本と同科で最も多いが、知られている標本は幼体・亜成体のみで成体の大きさは不明である。
- 分類
- 獣脚類 ・ ティラノサウルス科(アリオラムス族)
- 時代
- 白亜紀後期(約7200万〜6600万年前)
- 全長
- 約5〜6m
- 食性
- 肉食
- 発見地
- モンゴル
ネメグト層(ゴビ砂漠)
特徴
アリオラムスは二足歩行の肉食恐竜で、頭骨が長く低いことが大きな特徴である。癒合した左右の鼻骨の正中線上には、高さ1cmを超える不規則な骨の突起が5つ並ぶ。上顎骨に16〜17本、歯骨に18本の歯が並び、合計76〜78本とティラノサウルス科で最も多い。
模式種アリオラムス・レモトゥスの頭骨は長さ約45cmである。体の骨は長い間、足の甲の骨3本しか知られていなかったが、より完全な骨格をもつ第2の種アリオラムス・アルタイの発見で、体のつくりがかなり分かるようになった。知られている標本はいずれも幼体か亜成体とされ、成体の大きさははっきりしない。
発見と命名
最初の化石は1970年代前半、ソ連とモンゴルの合同調査隊がゴビ砂漠のバヤンホンゴル県ノゴン・ツァフで見つけた部分的な頭骨と中足骨である。1976年、ソ連の古生物学者セルゲイ・クルザーノフが命名・記載した。突起や低い頭骨が他のティラノサウルス類とあまりに違って見えたため、ラテン語で「別の枝」を意味する属名と、「離れた」を意味する種小名が付けられた。
アリオラムス・アルタイの化石は2001年にネメグト層のツァガン・フシュで発見され、2009年にスティーブン・ブルサッテらが命名した。種小名はアルタイ山脈にちなむ。
分類と研究
化石が乏しかったため長く分類が定まらず、ティラノサウルス亜科に入るとする研究と、ティラノサウルス科の外に置く研究があった。同じ時代・場所にいたタルボサウルスと頭骨の特徴を多く共有し、その幼体ではないかという見方もあったが、突起の発達と歯の多さから別の属とされる。2014年に吻の長いキアンゾウサウルスが記載されると、両者をまとめてアリオラムス族とする考えが示された。この一群の位置はティラノサウルス亜科の中とする解析と、その外とする解析があり、説が分かれる。
アリオラムス・アルタイの骨の組織を調べた研究では、この個体は成長途中であったが、同じ年ごろの大型種より小さかったことから、成体も比較的小柄だった可能性が指摘されている。頑丈な顎で噛みついて引きちぎる大型ティラノサウルス類の食べ方には向かない細い頭骨をもち、小さく素早い獲物を狙うことでタルボサウルスとの競合を避けたと考えられている。
見られる博物館
当サイトの博物館ガイドには、この恐竜を常設展示する館はまだ載っていない。
展示された特別展
- 特別展「ティラノサウルス類 ― 一族に会おう」2013年11月23日〜2014年7月27日 ・ オーストラリア博物館 ・ 吻の長いアジアの種
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。