ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
オヴィラプトル
Oviraptor ・ 1924年命名
名は「卵泥棒」を意味するが、模式標本は自分の巣の卵を抱いていたことが後に判明した。食性については定説がない。
- 分類
- 獣脚類 ・ オヴィラプトル科
- 時代
- 白亜紀後期(約7500万〜7100万年前)
- 全長
- 推定約1.6〜2m
- 食性
- 雑食
- 発見地
- モンゴル
ジャドフタ層(バインザク)
特徴
オヴィラプトルは全長約1.6〜2m、体重約33〜40kgと推定される比較的小型のオヴィラプトル科の獣脚類である。頭骨は短く高く、大きな窓が開いている。上下の顎に歯はなく、オウムのような頑丈な角質のくちばしがあった。模式標本の頭骨にはとさかがほとんど残っていないが、頭頂の骨の形から、主に前上顎骨が支える発達したとさかがあったと考えられている。
腕は長くよく発達し、3本の指には曲がったかぎ爪がある。叉骨の下向きの突起の前面に竜骨状の稜がある点は、他のオヴィラプトル科と違う特徴とされる。近縁種から、腕は長い羽毛に覆われ、尾の先の尾端骨が扇状の羽毛を支えていたと考えられている。
発見と命名
最初の化石は1923年、ロイ・チャップマン・アンドリュースが率いる第3次中央アジア探検隊が、モンゴルのジャドフタ層バイン・ザク(炎の崖)で見つけた。1924年、ヘンリー・フェアフィールド・オズボーンが模式種オヴィラプトル・フィロケラトプスを命名した。模式標本は約15個の卵がある巣の上に横たわっており、頭骨と卵の間はわずか10cmほどだった。
当時、巣はプロトケラトプスのものと考えられたため、属名はラテン語で「卵泥棒」、種小名は「角竜の卵を好む」という意味で付けられた。ただしオズボーン自身も、この名が誤った印象を与えるかもしれないと述べていた。確実にこの属とされる化石は、模式標本と巣、巣の中から見つかったごく小さな幼体の骨だけである。
分類と研究
オズボーンは歯のない顎からオルニトミムス科に入れたが、1976年にリンチェン・バルスボルドが別の科としてオヴィラプトル科を設けた。バルスボルドがこの属とした標本の多くは、のちにコンコラプトルやリンチェニアなど別の属に移された。高いとさかをもつ有名な標本も、2002年の研究でキティパティに近いとされた。
1990年代に、巣の上で卵を抱く姿のオヴィラプトル類の化石が次々に見つかり、模式標本も卵を盗んでいたのではなく自分の巣で卵を抱いていたことが分かった。巣の近くで幼体の骨が見つかったことも子育てを裏付けるとされる。ただし何を食べていたかについては定説がない。
見られる博物館
- 豊橋市自然史博物館日本 愛知県豊橋市 ・ 全身骨格
- 神流町恐竜センター日本 群馬県多野郡神流町 ・ ライブシアターのロボット
- ゼンケンベルク自然博物館ドイツ フランクフルト・アム・マイン ・ 複製骨格
- モンゴル恐竜中央博物館モンゴル ウランバートル ・ 展示
この恐竜が登場する本
- 恐竜学者は止まらない! 読み解け、卵化石ミステリー田中康平 ・ 読み物
- ビジュアルガイド 恐竜の生態と行動マイケル・J・ベントン(著)、ボブ・ニコルズ(イラスト)、久保田克博・田中康平(監訳)、喜多直子(訳) ・ 翻訳書
- 恐竜ハンターローウェル・ディンガス、マーク・ノレル(著)/椿正晴(訳)/群馬県立自然史博物館(監修) ・ 翻訳書
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。