ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
スピノサウルス
Spinosaurus ・ 1915年命名
背中に高さ1.65m以上の神経棘が並び、帆のような構造を支えていたと考えられる。尾は縦に幅広いパドル状で、魚を好んで食べた。
- 分類
- 獣脚類 ・ スピノサウルス科
- 時代
- 白亜紀後期(約1億〜9400万年前)
- 全長
- 推定約14m
- 食性
- 魚食
- 発見地
- エジプト、モロッコ、ニジェール
バハリヤ層(エジプト)・ケムケム層(モロッコ)
特徴
スピノサウルスは、白亜紀後期セノマニアン期の北アフリカにいたスピノサウルス科の大型獣脚類で、知られている陸上の肉食動物のなかでも最大級である。2022年の研究では、全長約14m、体重約7.4トンに達した可能性があるとされる。頭骨は現生のワニのように長く低く細く、ぎざぎざがほとんどない円錐形のまっすぐな歯が並んでいた。
背中の椎骨から伸びる棘突起は長さ1.65m以上になり、皮膚でつながって帆のような構造をつくっていたと考えられている。前あしは大きくがっしりして3本の指があり、第1指のかぎ爪が大きい。腰の骨は小さく、脚は体に比べてとても短い。細長い尾は高く薄い棘突起と長い血道弓で上下に幅広くなり、パドルのような形をしていた。
発見と命名
確実にこの属といえる最初の化石は、1912年秋にリヒャルト・マルクグラーフがエジプト西部のバハリヤ・オアシス(バハリヤ層)で掘り出したものである。1915年、ドイツの古生物学者エルンスト・シュトローマーがスピノサウルス・エジプティアクス(Spinosaurus aegyptiacus)と命名した。属名はラテン語の「とげ」とギリシャ語の「トカゲ」からなり「とげのトカゲ」、種小名はエジプトにちなむ。
これらの化石は、第二次世界大戦中の1944年のミュンヘン空襲で博物館とともに失われた。21世紀に入って新しい化石が見つかり、2014年にはニザール・イブラヒムらが、モロッコのケムケム層群から発掘した亜成体の骨格を新しい模式標本(ネオタイプ)として提案した。
分類と研究
化石に1種が含まれるのか2種が含まれるのかははっきりしていない。模式種のエジプティアクスは主にエジプトのバハリヤ層とモロッコのケムケム層群から、もう一つの種スピノサウルス・ミラビリスはニジェールのファラク層から知られる。モロッコのシギルマッササウルスなどをこの属と同じものとみなす意見もあるが、議論が続いている。
水生の獲物と陸上の獲物の両方を食べていたことが分かっている。歯の酸素同位体や骨密度の高い脚の骨などから半水生だったとする研究があり、2018年の研究ではパドル状の尾が水中で体を進めるのに適していたとされた。一方で、水に潜れなかったとする研究や、岸辺で何でも食べる暮らしだったとする2021年の研究もあり、泳ぐ能力については説が分かれる。背中の帆の役割としては、体温の調節や、ライバルへの威嚇・異性へのアピールなどがあげられている。
見られる博物館
- 北九州市立いのちのたび博物館日本 福岡県北九州市八幡東区 ・ 四足歩行姿勢の全身骨格
- ディノポリス(テルエル)スペイン アラゴン州テルエル ・ 12mの骨格
展示された特別展
- 特別展「獣脚類2025 ~『フクイ』から探る恐竜の進化~」2025年7月11日〜2025年11月3日 ・ 福井県立恐竜博物館 ・ 全長14mの全身復元骨格
- 福井県×タカシマヤ 発掘 恐竜王国展2024年7月17日〜2024年7月29日 ・ 新宿高島屋 11階催会場 ・ 上顎の実物化石(大阪会場)
- 巨大恐竜展20242024年7月13日〜2024年9月14日 ・ パシフィコ横浜 ・ 大型獣脚類
- オダイバ恐竜博覧会20242024年3月20日〜2024年5月6日 ・ フジテレビ本社屋 ・ 実物大ロボットと化石
- 恐竜博20162016年3月8日〜2016年6月12日 ・ 国立科学博物館 ・ 新復元の全身骨格、日本初公開
- 特別展「スピノサウルス ― 白亜紀の失われた巨人」2014年9月12日〜2015年4月12日 ・ ナショナル ジオグラフィック博物館 ・ 遊泳姿勢の全身骨格復元
この恐竜が登場する本
- 講談社の動く図鑑MOVE 恐竜 新訂二版千葉謙太郎(監修) ・ 図鑑
- 講談社の動く図鑑MOVE はじめてのずかん きょうりゅう小林快次(監修)、瀧靖之(総監修) ・ 図鑑
- 恐竜たちが見ていた世界 悠久なる時をかけてよみがえる18の物語土屋健(著)、ツク之助(イラスト) ・ 読み物
- 古生物のサイズが実感できる! リアルサイズ古生物図鑑 中生代編土屋健(著)、群馬県立自然史博物館(監修) ・ 図鑑
- 自然科学ハンドブック 恐竜・古生物図鑑ヘイゼル・リチャードソン(著)、グレゴリー・F・ファンストン(監修)、田中康平(監訳)、喜多直子(訳) ・ 翻訳書
- 改訂版 恐竜と古代の生き物図鑑ジョン・ウッドワード(著)、ダレン・ナイシュ(監修)、田中康平(監訳)、喜多直子(訳) ・ 翻訳書
- 改訂版 あの恐竜どこにいた? 地図で見る恐竜のくらし図鑑クリス・バーカー、ダレン・ナイシュ(著)、田中康平(監訳)、喜多直子(訳) ・ 翻訳書
- 恐竜研究の未来 化石から見えること、見えないことデイヴィッド・ホーン(著)/野口正雄(訳) ・ 翻訳書
- 大恐竜展 よみがえる世界の恐竜たち読売新聞社(編) ・ 図録アーカイブ
- 恐竜博2016 The dinosaur expo 2016真鍋真(監修)、朝日新聞社(編) ・ 図録アーカイブ
この恐竜が登場する作品
- ジュラシック・パークIII映画 ・ 2001
- ジュラシック・ワールド/復活の大地映画 ・ 2025
- ドラえもん のび太の恐竜2006アニメ ・ 2006
- ウォーキング withダイナソーズ(2025年新シリーズ)ドキュメンタリー ・ 2025
- NHKスペシャル 恐竜超世界ドキュメンタリー ・ 2019
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。