ENCYCLOPEDIA ・ 獣脚類
アフロベナトル
Afrovenator ・ 1994年命名
ニジェールで見つかったメガロサウルス類で、ゴンドワナ大陸から確実に知られる唯一の命名済みメガロサウルス類である。当初は白亜紀前期とされたが、再検討でジュラ紀中期〜後期の地層と考えられるようになった。
- 分類
- 獣脚類 ・ メガロサウルス科
- 時代
- ジュラ紀中期(約1.67億〜1.61億年前)
- 全長
- 約7〜8m
- 食性
- 肉食
- 発見地
- ニジェール
ティウラレン層(アガデス県)
特徴
唯一知られている骨格から、全長は約7〜8mと推定されている(推定には幅がある)。記載者は体つきを全体にきゃしゃとし、前肢とすねが比較的長いことを指摘している。
頭骨は上下に低く平たい。上あごの骨には歯槽から14本の歯があったと分かり、涙骨の上には丸い角のような突起がある。歯にはトルヴォサウルスにも見られる特徴的なギザギザがあり、後ろから見るとS字形をなす。首はS字にしなやかに曲がり、首の筋肉がよく発達していたと考えられている。
その後見つかったほぼ完全な足の化石から、アロサウルスより走ることに適していたが、アベリサウルス類ほど速く走るつくりではなかったとされる。
発見と命名
化石は1993年、ニジェールのアガデス県にあるティウラレン層で見つかった。頭骨の大部分、背骨の一部、前肢と骨盤の一部、後肢の大部分を含む比較的よくそろった1体の骨格で、シカゴ大学に収められている。
1994年、アメリカの古生物学者ポール・セレノらが科学誌『サイエンス』で記載し、種名はアフロベナトル・アバケンシス(Afrovenator abakensis)である。属名はラテン語で「アフリカの狩人」を意味し、種名は化石が出た地域のトゥアレグ語名「アバカ」にちなむ。同じ論文では竜脚類のジョバリアにも初めて触れている。
地層は当初、白亜紀前期と考えられていたが、再検討によりジュラ紀中期〜後期のものとされるようになった。近年は周辺で歯や上あごの一部、新たな半ば関節した標本も見つかっている。
分類と研究
多くの解析ではメガロサウルス科に入り、エウストレプトスポンディルスやデュブレイユオサウルスと近い仲間とされる。2012年の研究ではメガロサウルス科のなかのアフロベナトル亜科に置かれた。
一方、セレノの最初の記載ではメガロサウルス科やスピノサウルス科の外側の原始的な仲間とされ、2023年の解析でも別の位置が示されるなど、細かな位置付けは説が分かれる。ゴンドワナ大陸から確実に知られる唯一の命名済みメガロサウルス類とされる。
見られる博物館
- ジェームズ・キッチング・ギャラリー(ウィットウォーターズランド大学)南アフリカ ヨハネスブルグ ・ ロボット復元「ファング」
- オーストラリア博物館オーストラリア ニューサウスウェールズ州シドニー ・ アフリカの獣脚類
同じ獣脚類の恐竜
同じジュラ紀中期の恐竜
同じ国(ニジェール)で見つかった恐竜
出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。