ENCYCLOPEDIA ・ 鎧竜類
ピナコサウルス
Pinacosaurus ・ 1933年命名
頭部が小さな板状の骨で覆われ、「板トカゲ」を意味する名の由来となった中型の鎧竜である。幼体の骨格が多数まとまって見つかっており、群れで暮らしていた可能性が指摘されている。
- 分類
- 鎧竜類 ・ アンキロサウルス科
- 時代
- 白亜紀後期(約7500万〜7100万年前)
- 全長
- 約5m
- 食性
- 植物食
- 発見地
- モンゴル、中国
ジャドフタ層(フレーミング・クリフ)など
特徴
ピナコサウルスは全長約5m、体重は最大約1.9tと推定される中型のアンキロサウルス類である。胴は平たく低いが、アンキロサウルス亜科の中では軽い体つきである。頭は小さな板状の骨で覆われ、成体の頭骨は長さ約30cmで、幅より長さがある。
鼻の穴は大きなくぼみになっていて、その中に3〜5個の小さな穴が開いている。この穴の役割ははっきりしない。なめらかなくちばしで低い植物をかみ切り、小さな歯で刻んで、大きな腸で消化したと考えられている。首・背中・尾は稜のある骨板の鎧で守られ、尾の先には骨のハンマーがあった。
発見と命名
最初の化石は1923年、アメリカ自然史博物館の中央アジア探検隊のウォルター・W・グレンジャーが、モンゴルのジャドフタ層「炎の崖」で見つけた。1933年にチャールズ・W・ギルモアが模式種ピナコサウルス・グランゲリを命名した。属名はギリシャ語の「板」に由来し、頭を覆う小さな四角い骨板を指す。種小名は探検に加わったグレンジャーにちなむ。
その後、モンゴルや中国の内モンゴルなどで少なくとも24体の骨格が見つかっており、鎧竜で最も多いとも言われる。その多くは幼体である。2026年には第2の種ヒルウィトノルムが命名され、かつての種メフィストケファルスは別の属エオピナコサウルスに移された。
分類と研究
かつてはノドサウルス科とされたが、現在はアンキロサウルス科に分類されている。幼体では頭の鎧がまだ頭骨と癒合しておらず、骨の継ぎ目が見えるため、鎧竜の頭骨のつくりを知る重要な手がかりになっている。
アラグ・テーグなどでは幼体ばかりが集まった骨の密集層が見つかり、内モンゴルでは数頭の幼体が身を寄せ合ったまま砂嵐で死んだとみられる化石もある。多くの幼体は脚を折りたたみ、腹ばいで休む姿勢で見つかっている。成体の化石はまとまって見つかっていない。2023年には喉頭の骨の化石から、鳥のような声を出していた可能性が報告されている。
見られる博物館
当サイトの博物館ガイドには、この恐竜を常設展示する館はまだ載っていない。
展示された特別展
- 丹波竜発見20周年記念 特別展2026「大恐竜展 ~新発見の堅頭竜類ザヴァケファレ~」2026年10月10日〜2027年2月23日 ・ 丹波市立たんば恐竜博物館 ・ 喉の実物化石を世界初公開
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出典
数値は研究により変わる概数。内容は2026年10月時点。